さくら

読み終わった。

ラストスパートをどこで読もうか迷っているうちに
すごく間をあけてしまったが
結局電車の中で本を開いてしまい
最後の十数ページを代々木上原の駅のホームのベンチで読み
また鼻水たらしながら泣いてしまった。

今まで読んだ西さんが書く主人公は
最後にはいつも読み始めよりも高く変化して
光に向かうイメージを持たせてくれるけれど
今回は間に合わないと思った。
小説の後半から、長谷川家にこれでもかと押し寄せる試練
胸を掴まれて息ができなくなりそうなやるせなさで
主人公も主人公の家族も読んでいる私も
「もう、無理」ってほぼ、ほとんど諦めていた。

あと数ページ…。
間に合わない…。
なんてものを読まされたんだ…。
と、なかば怒りに近い感情を抱いてからのあのラストスパート。
ラストスパートダッシュ!!

やってくれたよ西さん。
やっぱり私は西さんが大好きだ。

こんな言葉では全然おさまりきれない。
読み終わった後のこの感覚。
 
西さんが犬のサクラを形容する言葉が
本当に愛に溢れていて
昔実家で飼っていた犬を思い出して
今すぐにでも逢いたくなった。

私もサクラに抱きついて
お腹に顔をうずめたい。

「ボール!あの、軽やかな跳ね!」

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