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永い言い訳

読んだ本
明日突然、いや、今突然
主人が何かの間違いで死んでしまったらどうしよう
と、たまに本気で考えて一人で苦しくなる時がある。

この本を読んでいる間ずっと
そのソワソワと恐ろしい想像が頭をよぎって離れず
何度も電車の中で本を閉じた。

バスの事故で妻を亡くした小説家が主人公
とうの昔に夫婦の仲は冷め切っていて
妻が死んだとてあまり感情の変化を見せない。
その主人公とバス事故の被害者の家族が
おかしなきっかけで
とても不思議な「新しい家族」のカタチを築いて行く…。

失って初めて気づくものは必ずあって
本当だったら失う前に気づきたいけれど
そこからしか見えないものが必ずある。
だから失って尚、生きていかなきゃならない。

誰にも迷惑をかけずに死ぬ事は絶対にないのと同じように
誰にも気づきを与えずにして死ぬ事もできないのだと思った。
どんなカタチであれ、私たちは自分一人では生きていけないから。
憎しみあっていた関係も
どちらかの死からはじまる何かは必ずある。

題材が重いから恐る恐る読んでいたんだけど
主人公は抜けていて馬鹿なところも沢山あって
どうにも愛嬌のある人物だったし
全体的に少し可笑しくなるような
くすぐられる魅力のある文章だった。

「ゆれる」「ディアドクター」を作った監督だけあって
映画のシーンのように、鮮明に情景が浮かんできたし
場面展開の表現の仕方が本当に面白かった。

また西川美和さんの本。読んでみたいな。

とにかく
私の周りに居る人たちには
長生きしてもらいたいものだ。

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